ガラドリエルとロスロリアン

ロスロリアン、そこは『指輪物語』の中で私がもっとも行ってみたい所です。

ウォルト・ディズニーさんはディズニーワールドを『自分が子供の頃欲しくても得られなかった物を詰め込んだ場所』と表しておられました。トールキンさんにとって『指輪物語』は何を詰め込んだ所なのでしょう……?

ロスロリアンの描写を読んだ時、私は『ネバーエンディングストーリー』と『豆粒程小さないぬ 』という童話を思い出しました。『ロードオブザリング』を見た時に思い出したのは『風の谷のナウシカ』で出てくる腐海の下層部である、浄化された木々と砂の空間でした。

ロスロリアンには、浄化された空気と、冷たく固くさらさらとした心地よい音と、七色に輝く白い木々のイメージがありました。現実的に云えば『避暑地』であるかもしれませんが、それだけに留まらない華麗さ、美しさと心地よさが気持ちよく想像できて、とても好きです。

もしかしたらこの汚れた現代社会における、誰しもが抱く『清浄な世界』を描写 したものなのかもしれない、と感じました。

面白い物ですよね。誰も清浄な世界なんて見た事が無い筈ですのに、皆がああいったイメージを抱いているというのは。誰も氷が放つ神秘的な音楽なんて聞いた事無い筈ですのに、流氷や鍾乳洞、つららをイメージした音楽を作らせると、キンキンと、かつ染み渡る様に震える高くて美しい音色を扱った音楽になったりする辺りと同じ気がします。グロッケンは鉄琴であり、氷ではありません。なのに、殆どの氷の音楽で恐らく使われている楽器である事でしょう(勿論、それに類似する楽器である事も屡です)。それと同じ事なんだなと思うと納得行くようでありながら、『何故民族・生活環境に関わらず同じイメージを持てるのか』という事にとても不思議を感じずにはいられません。

(すっかりガラドリエルと無関係な話題に………(汗))


20020720(現在小説七巻中盤)