レゴラスと森とエント

エルフ=森の精という印象が幼い頃からある私にとって、レゴラスが「闇の森の王子様」と聞いた時の印象は、こんなでした。妖精は森に溶け込むというイメージなので………いや、溶け込むと言うのは保護色という意味で、本当に溶け込んでしまうのは、ドライアード(木の精)だとは思いますけど(笑)。まあ、そんなイメージで。あやかしを使って敵の目を晦ますと言うか、なんというか……というイメージでこのイラストは書きました。

ところで、物語り中盤でエントが出て来てエント女について語るシーンがあると思うのですが、私あそこでとても歯痒い思いを致しました。というのも、エントが「各地に散らばって……」と語った時、メリーやピピンは柳爺を思い出して「そういえばあそこの森にも……」と言った物の、それで終わってしまったからです。私がお喋りで好奇心旺盛なホビットであるならば、恐らく「あそこの森に柳爺という樹があってね、そりゃもう大変だったんだよ!あれもエントだよね?あの森には他にもエントがいたのかな?」とか、「ああいうのが沢山居たら嫌だと思うけど、僕達の故郷の方にエントはあれだけなの?」とか、もっと突っ込みを入れそうな物なのに……と思ったのです。只でさえそこで歯切れの悪い思いをしているというのに、更に、「世界中に農作物を溢れさせようと、エント女達は各地にちらばり、そしていなくなった」というような事を説明した時、その後に続いたのは「見かけたら知らせてくれ」「うんわかったよ」だったのがとても気になりました。これは間違った解釈だとは思うのですが、「あのひとは違うの?」と、前半に出て来た綺麗な綺麗な妖精さん(名前ド忘れ)が頭を過る人が一人位 居たって……と思ったのです。エント女の肌ががさがさで茶褐色に焼け、腰が曲がったのは農耕を手伝ってからだった筈です。と言う事は、もし人間が農耕の方法を教わるだけで全部自分達だけでも十分実績を挙げていたり、その土地に緑が溢れていたら、戦力ではなく知力を活かしたエント女がいたって……と思ったのです。……そう思ったのも、多分エント女は美しい美しいを連呼された描写 だったからと思うのですが……。まあ、蟻は蟻でしか無く固体識別なんて不可能だと人間が思う様にエントの指す美しいを人間が理解するのは難しいという意味もあっての事だとも思いますが……。世の中絶対に一人や二人、自分と同じ意見を持った人がいる、若しくは感性がとても近い方はいらっしゃると信じてます(笑)。


20020720(現在小説七巻中盤)