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1999

左から順に「正面」「中央拡大」「斜」
一九九九年。それは私にとって大きな一年です。平成元年に中学へあがり、二〇〇〇年に社会人になる。漠然としたイメージではありますが、この切りの良い年ごとに人生の転機を迎えて来た私にとって、最後かも知れない区切りです。幼い頃から、私は大きくなったら何になるという夢を、くっきりと描いていました。そして、屈折したり、寄り道しながらも目標を見失う事無くここまできました。それなのに、私の前から突然夢の映像が消えてしまいました。阪神大震災、サリン事件、戦争‥‥‥そういったものが、私から将来の夢を取り去ってしまったのです。いずれの事件も私は直接被害を受けた訳では無く、テレビ等の放送で知った物です。それなのに、『明日は我が身』という意識が強く、希望を失ってしまったのです。此の絵は、それを表わしています。今迄歩いて来た路が、もう何処へ続いているか判らない。砂の様に流れ落ちているのです。ですが、落ちた砂が溜れば路はできるのです。絶望はしていません。路はきらきら輝き、体は風へ溶け込みます。風は自由に空間を飛び、地に捕われる事はありません。路が無いなら風となって飛びましょう。野を越え山を越え‥‥‥。自由である事は辛い事ですが、自分で法律を作っていくらか規制すればそこは心地よい所になります。自分の色、それを全体に表現してみました。極彩色、おめでたい色。私の頭はおめでたいのかも知れません。でも、それで良いと思っています。そして、人一人一人が歩んで来た路を、誰にも見られていないと悲観しがちですが、月は見ていると思います。月は自ら輝く事無く、太陽と言う大いなる存在から受けた光を更に私達に分け与えます。自分から無理して輝かなくても、その最小限の力で光ってみせているのです。でも、それでもいいんじゃない?と、自分を例にあげて語ってくれています。逆様なのは、普通だと言われる考え方が総てではないよ、と諭す為です。一番自分らしい絵柄、一番自分らしい色使いです。


1999年を半立体で表現しなさい。
という課題に対しての私の答え。
今迄学校の課題といえば、クールで真面目なイメージと、
恥ずかしさがあって、
自分らしさを押し殺していたのです。
でもそれは誤りだったと今は思っています。
だからこそ、卒業制作目前にして、
自分らしい表現にしようと思って、
あえて此の絵を選びました。
一番自分らしい。
自信を持って製作しようと思っています。
残り制作日数三日!(土、月、火のみ)
(都合によって殆どの日が動けないのが辛い所)
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